そこで、完全欲を少し発揮して、それを効果的にしかも確実に達成するにはどうすればよいかを 考えてみますと、それにはまず日常生活の中で「現実から逃げずに、なすべきことをなす」ということが 何より大切になってくるのであります。 そうすることが結果的にはからう機会をたくさん作り出し、はからいの尽きる時期を早めることになります。 「はからい」は自然に放置されたときに最も早く尽きて行くものです。 その過程で自分が徹底的に追い詰められ「もうこうするより外に仕方がない」という 「開き直りの態度」になり得れば、反抗心がなくなり問題は一挙に解決しますが、 普通はなかなかそうはなれないものです。 「はからい」に伴って発生する苦悩をまともに受け取り、それをしっかり味わいながら、 逃げずに日々なすべきことをなしていくのは本当につらいことです。 しかし、それがこの場合の最善の対処方法ですからどうにも仕方がありません。 そういう生活を続けておりますと追い詰められて自然に「捨て身の態度」にならざるを得ない場面に 遭遇することもありますし、たとえそういう場面がこなくても、いつのまにか薄紙を剥がすように 「はからい」が尽きて行って自然に治まりがつくものです。 したがってこの場合にも「あるがままでよい、あるがままより外に仕方がない」ということになります。 もちろん、「苦しくても逃げずに、なすべきことをなす」ためには 意志的な努力が必要なことは言うまでもないことです。