個性とか性格とかについても細かくいうと皆独自なものであると思う。 しかし「ものは使いよう」というように、向き・不向きというものはあり得る。 たとえばカミソリで大木を切っても切れないことはないが向いているとは思えない。 では神経質者は何に向いているかというと、何をやっても大抵できるので、 どちらかというと活用範囲の広い性格ではないかと思う。 後は好みの問題で好きか嫌いかで決まってくるのだが、 それも社会状況によってかなり制約を受けるので一概にこうだというのは難しい。 理想を言えば、自分のやりたいことをして生きて行けたら一番いいのである。 　過去のことや、他のことと関係づけないで目の前の事実に従うことも大切なことである。 その考えは「物事はすべて時々刻々変化している」という事実に基づいている。 「宇宙や自分をとりまく環境も絶えず変化しており、自分自身や心の中も絶えず変化している。 特に感情や気分の変化は著しいものがある。 昨日の自分と今日の自分は同じではない。 状況が変わって新しくなっているのだから、 昨日の考えと今日の考えが違っていてもちっともおかしくないのである。 状況は時々刻々変化しているので、過去のことと関係づけないで 目の前の新しい事実に従って行動することをお勧めするのである。 両足を切断した小沢道雄禅師は「本日ただいま誕生」と考えることによって、 過去の両足のあった時の自分と比べることをしなくなって悩みから解放されたという。 たしかにこの姿のまま今誕生したのだと思えれば楽になる。 また川の流れは変わらないが、そこを流れる水はいつも新しく同じものではない。 人生も同じようなものだと思う。